組み込みAI開発を今日からはじめてみよう

組み込みAI(人工知能:Artificial Intelligence)は、現在、コンスーマアプリケーションから産業用アプリケーションまで、様々なシステムに搭載されています。また、AIは学術的にも面白い技術のため、読みきれないほど多くのAI関連書籍も出版されています。そこでAPSでは、こうした情報の中から、正確で、わかりやすく、実践的な技術情報をピックアップして配信する、組み込みAI初心者講座を開設しました。「触って学べる」をテーマに、組み込みAIの今を紹介いたします。

組み込みAIってなんだろう

組み込みシステムとは、IoTに代表される、私たちの生活やビジネスを、身近なところで支えてくれる心強いシステムです。ここにAIの要素が加えられた「組み込みAI」システムは、「なんとなく良いサービスを手元に実現してくれるシステム」です。スマートデバイスをはじめ、物流、防犯、最先端の医療現場に至るまで、様々なサービスをより良くする技術として、組み込みAIは採用されています。

AIらしいシステム、AIらしくないシステム

それでは、AIとは何でしょうか。まず、AIのイメージを共有していきましょう。以下の例として挙げるシステムは、AIらしいでしょうか?

AIらしくないシステム

「入力した数を出力して」とルール決めしたロボット

→ 3を入力すれば、3が出力される
✕ 想像している「AI」ではありませんね?

「入力した数に1を足した数を出力して」とルール決めしたロボット

→ 3を入力すれば、4が出力される。
✕ やはり、想像している「AI」ではありませんね?

図

いずれも私たちが想像するAIではありませんね。つまり、プログラムが何らかの処理をするシステムをすべてAIと呼ぶことは、無理があります。これは、私たちがAIを冠するシステムに対して、「人工物(Artificial)」であるとともに、「知能(Intelligence)」を持っているかどうかを直感的に判断しているためでしょう。

こうした前提を踏まえて、次の例を見てください。

AIらしいシステム

AさんとBさんとの会話を、ロボットが聞いている

→ AさんがBさんへ伝えた数字に対して、Bさんが1を足した数を答えている

ロボットが、真似をする

→ 3を入力すれば、4が出力される。
◯ そうそう、これが「AI」だよ

図

これこそが、私たちが知りたいAIだと思います。「背景となる情報を持っている」ことに加えて、”真似をする”といったように「ルールを自動生成できる能力」がポイントです。つまり、組み込みAIは、アドバンスドな組み込みシステムなのです。

APS初心者講座の定義する組み込みAIとは

そこで、本初心者講座ではAIの定義を、模範解答や、過去の経験に基づき、入力に対応する出力を算出するためのルールを自動生成できるシステム、とします。簡潔に言うと、「蓄積した知識を活用できるシステム」です。

AIが必要とされる理由

経験や蓄積した知識の活用は、あらゆる分野で求められています。過去の経験が短いデータであれば、人がルールを推測できるかもしれません。しかし、ビッグデータ時代を経て蓄えられたGBクラス、TBクラスの膨大な知見を含んだデータを、人間が解析することは不可能に思えます。

AIは、計算機科学により、これらの大規模データを高速かつ並列に解析。ルール候補の妥当性を、それぞれ検証していくことにより、人間のチカラを超えたルールの推定を可能とします。AIの活用は、人の手では整理仕切れない膨大な経験値を余すことなく次のサービスへ活用できる、未来を創る手段なのです。

AIを利用したサービスアプリケーションの実例

今回のまとめとして、AIが実際に採用されているサービスを紹介します。ここに挙げるサービスに共通する魅力は、前述のように、人間には到底実現できない膨大な経験値を解析し、高速な認識処理を組み上げることにより、まったく新しい価値をもたらすサービスとして提供していることでしょう。

まとめ

組み込みAI初心者講座の第一回、いかがだったでしょうか。組み込みAIを学ぶことは、現在眠らせている情報を活用できるシステムを設計できることであり、新しい時代を創造する素敵な活動です。次回は、組み込みAIに登場する用語を紹介し、要素技術に迫ります。

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